朝の一杯のコーヒーがなければ生きていけないという人は世界中の至るところに大勢いることから、その淹れ方も、どこでコーヒーを注文するかによって数え切れないほどあります。 ここでは、世界各地にあるコーヒーの伝統のうち、最も興味をそそるユニークなものをいくつかご紹介します。
まずヨーロッパは、エスプレッソ発祥の地であるイタリアから始めます。ここでしか味わえないのが、カップの縁に新鮮なレモンの皮を添えたシングルショットのエスプレッソロマーノです。 スペインに向かうと、バレンシア発祥のカフェ・ボンボンは"キャンディコーヒー"とも呼ばれるコーヒーで、透明なグラスに入った練乳とエスプレッソの白黒の美しい層を鑑賞できます。 その他に、ギリシャフラッペも間違いなく素晴らしい選択肢となるでしょう。 戦後のギリシャにおけるコーヒー文化の象徴であるこの簡単に作れるインスタントアイスコーヒーは、背の高いグラスで泡をのせて出されます。 インスタントコーヒー、砂糖、牛乳、水、氷があれば簡単に淹れることができます。
コーヒーとアルコールの組み合わせはいかがですか? ドイツではファリザー(Pharisäer)を注文できます。これは、濃い目に淹れたコーヒー、ラム酒、ホイップクリームで作るショットドリンクで、通常マグカップまたはグラスに入れて給されます。1943年に偶然に生まれ、世界的に有名になったアイリッシュコーヒーは、ホットコーヒー、アイリッシュウイスキー、砂糖、ホイップクリームで作られ、クリスマスドリンクとして知られていますが、実は一年中楽しまれています。
ラテンアメリカでは、コーヒーの味わい方が実に様々で、
例えば深煎りのコーヒー豆を挽き、砂糖、シナモン、
その他のスパイスを加えて煮出したカフェ・デ・オジャ
(Café de Olla)はメキシコで非常に人気があり、
カップにはオレンジの皮が風味づけに入っています。
キューバでは、文化的なライフスタイルの象徴として
コーヒーが高く評価されています。カフェ・クバーノ(Café Cubano)は、
甘いクリームの層を厚めにのせた美味しいエスプレッソショットです。
コロンビアを訪れたら、美味しいカフェ・コン・レチェ(Café con leche)
を味わいましょう。引き立てのコーヒー豆と温めたミルクで作る、
手軽で簡単なミルク入りコーヒーです。最後に、アルゼンチンのカフェで
芸術品にたとえられるカフェ・ラグリマ(Café Lagrima)は、
エスプレッソカップにミルクを入れて、コーヒーを一滴たらした飲み物で、
濃い目のコーヒーが苦手な方に最適です。
モロッコのノースノース(Nous Nous)にも別のおいしさがあります。「半分半分」の名前のとおり、強く淹れたエスプレッソと温めて泡立てたミルクを半分ずつ小さなグラスに入れて、甘みを加えるために砂糖を一滴加えます。トルココーヒーとも呼ばれるトゥルク カフヴェシ(Türk Kahvesi)は淹れ方がユニークで、豆を鍋で煮てから、フィルターで濾さずにカップに注ぎ、好みに合わせて砂糖を加えます。 この淹れ方で興味深いのは、その背景にある迷信とも言える伝統で、 飲み干した後の残りカスは占いに使えるそうです。