ベネチアの「カフェ・フローリアン」は、「セレニッシマ」とも呼ばれたかつてのベネチア共和国の中心であるサンマルコ広場で、アーチが並ぶ新行政館の象徴的な建築の中で存在感を示しています。 ベネチア市民によれば、現代的なコンセプトでのヨーロッパ最古のカフェであり、ベネチアの街を象徴するカフェの1つであることは間違いありません。 このカフェは、1720年12月29日にフロリアーノ・フランチェスコーニが「アッラ・ヴェネーツィア・トリオンフォンテ」という名前で開業しましたが、その後まもなくオーナーの名前にちなんで「カフェ・フローリアン」として知られるようになりました。
店内では、東洋諸国、ギリシャ、キプロスなどから取り寄せた最高級のコーヒーや紅茶、ワインが提供されていましたが、店外では歴史が展開していました。フローリアンは、フランスとオーストリアの支配者に対する謀略や、ベネチアの栄枯盛衰を目の当たりにしてきました。
当初から、カフェ・フローリアンには、ジャコモ・カサノヴァ、カルロ・ゴルドーニ、ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ、バイロン卿、ウーゴ・フォスコロ、オノレ・ド・バルザック、チャールズ・ディケンズ、オスカー・ワイルドといった歴史上や文学上の著名人が常連客として訪れていました。また、初めて女性を受け入れたコーヒーハウスでもあります。
近年、フィレンツェに新しいカフェ・フローリアンがオープンしましたが、ベネチアの歴史ある店で赤いベルベットのソファやアームチェアに座り、今も壁に飾られた肖像画や美しい絵画を見ながら、冷たいクリームコーヒーにホイップを載せたフローズン・フローリアンや、コーヒー、ミルク、ジャンドゥーヤ、ヘーゼルナッツクリームを使ったカフェ・デル・ドージェを楽しむのは、格別な体験となるでしょう。